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2018年2月28日

第5回 ミッション3:「超低電力宇宙通信」

宇宙の果てには何があるのでしょうか?その答えを探す研究が深宇宙探査です。深宇宙とは地上から200万キロ以上離れた宇宙のこと。そんな遠くに探査機を飛ばし、観測をするには、地上側にも探査機側にも大きな課題があります。地上側の課題は、深宇宙から送られてくる探査機の微弱な信号をキャッチできるよう、受信感度を上げること。探査機側の課題は、遠く離れることで地球に到達する信号が弱くなってしまうことです。
このような課題解決のためにAUT Cube2に課せられたミッションが、超低電力宇宙通信です。AUT Cube2は打ち上げられた後、大気圏に突入して燃え尽きるまでおよそ7年間、地上との通信を続ける予定です。今飛んでいる衛星がデータを送ってくる信号よりずーっと弱い電波で通信を行い、地球から遠く離れても通信ができることを確認します。超低電力宇宙通信の技術は、将来的にはカードサイズ衛星などへの応用も期待されています。カードサイズ衛星とは、通信機とコンピューター、電池のみを搭載した小さな衛星のこと。サイズが小さいため一度に何枚も打ち上げられ、広告などへの活用も見込まれている技術です。実用化できれば、衛星や宇宙がもっと身近に感じられるようになるでしょう。ただし、サイズが小さいため強い電波を発信することも難しくなりますが、この課題の解決に超低電力宇宙通信が役に立つと期待されています。
はるか遠い深宇宙の探査と、宇宙を身近に感じるカードサイズ衛星。2つの期待が超低電力宇宙通信には込められています。

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